デジタイゼーションの次、デジタライゼーション先日、弊社お役立ち情報で以下のレポートを公開しました。■患者経験価値(PX)の向上を実現するDXhttps://service.nkgr.co.jp/dx/report/dYoBc9vg今回は、もう少し具体的な取り組みとしてRPA(Robotic Process Automation)を活用したPX(患者経験価値)向上についてお伝えします。以前、下記レポートで「DX」と「DXと類似した用語」の定義の違いを解説しました。■DXの前のデジタル化(デジタイゼーション・デジタライゼーション)https://nkgr.co.jp/useful/hospital-quality-organization-96721/DXの定義としては、「組織変革によるコスト構造変革を実現し、従来とは異なる事業領域(病床機能転換や新規事業の開始)で患者経験価値(PX:Patient Experience)向上などの競争優位性を実現する」となるため、高いレベルの内容が求められます。そのため、皆さんの病院ではDX実現まで距離を感じることがあるかもしれません。一方、単なるデジタル化(デジタイゼーション)である「紙カルテを電子カルテに変換すること」は、既に半数以上の病院が実現しています。(令和2年の一般病院の電子カルテ普及率は57.2%(4,109/7,179))そこで、デジタイゼーションの次のステップであるデジタライゼーションが重要になります。以前のレポートでは、デジタライゼーションの例として「対面診療というビジネス全体をデジタル化によりオンラインで対応できる遠隔診療へ変換する」を挙げました。しかし、これだけではありません。RPA活用による、デジタライゼーションの実現弊社では2020年よりRPA導入支援を行っていますが、このRPAを活用することで、既に導入済みの電子カルテと、それ以外にも導入済み各種部門システムの有効活用ができます。その結果、「組織のビジネスモデル全体を一新し、クライアントやパートナーに対してサービスを提供するより良い方法を構築すること」というデジタライゼーションの定義を実現することができます。また、その結果としてPX向上につなげることも可能です。以下は過去に弊社がRPA導入支援を行った事例の動画です。■RPAお役立ち動画https://nkgr.co.jp/nkchannel/rpachannel/RPAはパソコン内で行われるキーボードやマウス操作を代替してくれるロボットです。キーボードやマウス操作をあらかじめ登録しておくことで、日次・週次・月次など定型的に発生するパソコンを使った事務作業をRPAに代替させることができます。このようにRPAは、定型反復のチェック業務や作成業務、督促業務などが得意領域のため「予約患者の指導料算定確認」や「返書作成に関する院内医師への督促」などRPAを用いて自動化している例があります。また、電子カルテ上のバイタルデータをチェックして、状態が悪化しつつある患者の抽出を人手で行っていた場合、その業務をRPAでデジタル化して、人手を上回る頻度で一日に何度もチェックすることができます。具体的には、電子カルテ上のバイタルデータを電子カルテで自動確認させ、一定値以上の患者を抽出して、異常を検知します。そもそもRPAは定期的な自動検索や自動抽出が得意なシステムです。そのため、一般企業などではインターネット上の求人情報を自動収集させて、事業拡大中の企業を自動抽出し営業リスト作成などに活用するケースがあります。弊社でも全国の地方厚生局のホームページをRPAに毎月自動検索させて、毎月更新される医療機関の施設基準情報をRPAで自動収集し、弊社が保有する「病院経営分析システムLibra」の施設基準データベースを自動更新するようにしています。こうした自動検索・自動抽出はRPAの得意領域なので、電子カルテ上のバイタルデータを一日に何度も自動検索させることが可能です。その結果、従来人手で行っていた以上にきめ細かい患者状態のチェックが可能になり、医療の質向上という患者経験価値向上に寄与するケースがあります。電子カルテの導入はデジタイゼーションですが、その運用にRPAを加えることで医療の質向上を実現することが考えられます。まさに、組織のビジネスモデル全体を一新し、クライアントやパートナーに対してサービスを提供するより良い方法を構築するという、デジタライゼーションを実現することが可能です。デジタイゼーションとしての電子カルテ導入が済んでいる病院では、DXの実現に向けて、まずはPX向上につながるためにRPAの活用を検討してはいかがでしょうか?RPAの専門サイトはこちら